大数の法則とは? 書評・レビュー「大数の法則がわかれば、世の中のすべてわかる」

どうも、武信です。(No459) 

 

「大数の法則がわかれば、世の中のすべてわかる」という本の引用・まとめをします。

「大数の法則がわかれば、世の中のすべてわかる」

 

皆さんは、大数の法則って聞いたことありますか?

 

あまり馴染みがない人でも、大数の法則がよく分かる記事になっています。

 

大数の法則という、有用な知識を手に入れたい方はぜひ続きをお読みください。 

 

 

1 前置き。

 

大数の法則を以下の記事では、次のように書いています。

 

「全てはゼロベース思考と確率論」

「全てはゼロベース思考と確率論」PART1

 

世の中は実行が重要だからです。大数の法則とは、1回や数回だと実力と異なる結果が出ますが、回数を多くしていくと自然と実力が現れることです。以上、ここまで。

 

この大数の法則を「「大数の法則がわかれば、世の中のすべてがわかる!」という本を参考にしながら、まとめていきたいと思います。

 

2 大数の法則の現実世界での応用例。

 

大数の法則は、「生命保険などの保険系」「銀行預金」、「信用創造」、「ブレーンストーミングや集合知」、「選挙」などの現実の世界で使われています。

 

銀行は、預金のかなりの部分を貸し出しに回しています。

 

預金の一部をキープしておけば、残りを貸し出しに回していいですよ、という制度を部分準備制度といいます。

 

キープしておく預金の一部のことを、支払いのために準備しておくという意味で、「支払準備」と呼びます。

 

この部分準備制度が、いわゆる、信用創造と密接に結びついています。

 

銀行の信用創造は経済状態と深くつながっていて、バブル経済のときは12~13倍だったのですが、2000年代に入ると6〜8倍まで下がり、最近は3倍程度です。

 

つまり、貸し出しにお金が回っていないので、信用創造が充分に機能していないということです。

 

信用創造の基盤となる部分準備制度は、大数の法則により成り立っています。詳しくは本で。

 

3 少数の法則。

 

大数の法則は、コイン投げゲームで言えば、5回ぐらいしか投げなければ「全部、裏」という可能性もありますが(これを少数の法則という)、かなりの回数投げれば、きちんと「裏、表」が2分の1の確率で出ることで、例えるとわかりやすいと思います。

 

ビギナーズラックという、スポーツで新人が好成績を収めたり、ギャンブルで初心者が大勝ちすることがあるのも、大数の法則で説明ができます。

 

きちんとした実力通りの結果にならなかっただけなのです。

 

少数の法則が発動したということです。

 

4 大数の法則が成り立つ条件

 

そして、大数の法則が成り立つ条件があります。

 

条件1 多くの参加者がいること

条件2 それぞれの参加者が独立して判断・行動していること(独立性)

条件3 特権階級が出てこないようなルールがあること(同一性)

条件4 大数の法則を活用するための仕組みが整っていること。 P100より。

 

条件1は、生命保険では多くの契約をまとめて管理することですし、銀行では預金者の預金引き出しと預け入れの金額が大数の法則によって、およそ同じぐらいになるので、預金の大部分を貸し出しに回せる、つまり信用創造の基盤となっています。

 

条件2の「独立性」とは、それぞれが互いに影響を及ぼさず、無関係であることを言います。

 

生命保険で言えば、戦争などの特殊な状況を除けば、誰かが必ず死ぬタイミングと別の誰かが死ぬタイミングは、互いに無関係ということです。

 

銀行預金では、各々の預金者がお金を引き出すタイミングや、預け入れるタイミングはバラバラで無関係です。

 

多数決の場合は、メンバー各位が他のメンバーの意見に流されることなく、自分の頭で考えて判断することが大事です。(ブレーンストーミングや集合知や選挙での前提です)

 

条件3の「同一性」とは、特別な影響力を持つ人が出てこないようにするということです。

 

生命保険では、医学的審査や最高保険金額の制限によって、死亡率の高い人の加入や飛び抜けた保険額での契約を防いでいます。

 

また、独占禁止法は経済においての、特権階級の登場を防いでいます。

 

これにより、「同一性」と、企業の「独立性」を保っています。

 

多数決では特権的な人が全てを決めるのではなく、1人1人が投票権を持っていることが大事ということです。

 

条件4は、大数の法則の恩恵を人々に還元する仕組みが必要ということです。

 

生命保険会社がなければ、何十万人という契約者を集められません。

 

銀行預金では、大数の法則により、企業に貸し出しができ、それが経済の発展につながり、我々は恩恵を受けています。

 

多数決では大数の法則により、判断の精度を向上させ、その結果を「民意」や「判決」といった形で社会に還元しています。

 

また、能力者(判断の精度が高い人)と同じくらい、多様性(たくさんの人がいること)が大事です。

 

5 大数の法則が働くには?

 

大数の法則が働くために、どれくらいの経験数が必要かの目安については、「中心極限定理」が参考になります。

 

その定理によれば、経験上の確率と理論上の確率のズレの大きさは、大まかに言うと、経験数の平方根に反比例するといいます。

 

例えば、ズレを半分にしたければ、経験数が4倍必要ということです。詳しくは本で。

 

逆に言うと、経験数が少ないときは、大数の法則が働きません。

 

前に述べたように、少数の法則が働くというわけです。

 

理論的な確率は、経験数が十分でない場合はあてにならないのです。

ビギナーズラックが起こるということです。

 

スポーツでも短期決戦になると、たまに事前の予測と違う結果が出たりしますね。

 

大数の法則は、「経験数が多くなるにつれ、あるべき姿に収斂していくという法則」です。

 

これは、一度にたくさん行う場合にも当てはまりますし、時間をかけて経験数を積み上げてる場合にも当てはまります。

 

サイコロの例でいうと、大数の法則は1万個のサイコロを一度に振ったときにも当てはまりますし、1個のサイコロを1万回振ったときにも当てはまるということです。P78より。

 

時間をかけて、経験数を積み上げる例は、資産運用の長期投資があります。

 

もっと詳しい説明は、以下の本を読むことをお勧めします。

「大数の法則がわかれば、世の中のすべてがわかる!」 

 

6 池上彰氏の記事について。

 

最後に以下の記事を貼ります。

http://news.livedoor.com/topics/detail/13433000/

 

簡単に要約します。

 

池上さんが自衛隊の歴史などについて語っていて、陣内智則さんが「池上さんはどう考えているのですか?」 と質問をすると、池上さんは言葉を濁したが、陣内さんは「池上さんが一番正しいと思っています」と言いました。

 

これに対し、池上さんは「それが一番、危険なことです。民主主義では自分の頭で考えないのが一番よくない」というようなことを言いました。

 

また、池上さんは「自分は皆さんが考える材料を提供しているだけ。池上さんに従ったら、皆が思考停止になってしまって良くない」というようなことを言っていました。以上、ここまで。

 

これは、大数の法則を成り立たせる選挙における最低限の法則ですね。

 

「それぞれの参加者が独立して判断・行動していること」(独立性)と、「特権階級が出てこないようなルールがあること」(同一性)を侵したら、民主主義が成り立たなくなります。

 

特権階級とは、池上さんのような強大な影響力者に皆が釣られて、考えなくなったら、ダメということです。

 

ではこの辺で。(3424文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

 

「大数の法則がわかれば、世の中のすべてがわかる」 

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