ベーシックインカムで仕事やバイトはどうなるか。「好きなことをして生きる」論の是非3 PART1

  • 2020年2月20日
  • 2021年1月1日
  • 思想
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どうも、武信です。(No750)

 

前回の続きです。

ベーシックインカムで仕事やバイトはどうなるか。「好きなことをして生きる」論の是非2

「ベーシックインカムで仕事やバイトはどうなるか。「好きなことをして生きる」論の是非2」

 

ベーシックインカムという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 

最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を、定期的に支給するという政策のことを言います。

 

例えば、月に7、8万の金をすべての国民に配るなどです。

 

この定期的な額を配り続けたら、好きなことをして生きれるのでは?と提案している人がおり、僕はその論への是非を唱えてます。

 

興味がある人は、続きをお読みください。

 

最初に言っておきますが、ひろゆき氏の構想について反論していますが、僕は何もアイデアを出さない人よりは百倍、マシだと思っています。

 

欠陥があるアイデアだと思ったので僕は反論というか指摘しましたが、アイデアを提案する姿勢は素晴らしいと思います。

 

世の中には単にあら探しだけして、提案すらしない人が多いですからねー。

 

 

1 ひろゆき氏の記事の引用。

 

記事を貼ります。

「ひろゆきが「生活保護を堂々と受給していけばいい」と提言する真意」というタイトルです。

http://news.livedoor.com/article/detail/16592383/

 

記事から引用します。

 

「生活保護」からのベーシックインカム

 

少子高齢化が進む日本。今後の経済の見通しは、決して明るいものではない。ひろゆきさんがひとつの解決策としてあげているのが、冒頭で紹介したベーシックインカム制度だ。言い換えれば、国民みんなが生活保護をもらう制度にしようということ。

 

「今の生活保護って、本当に保護が必要な、困っている人が受けづらい状況になっていますよね。それを変えるには、働くのがしんどい人がどんどん申請して、生活保護を堂々と受給していけばいいんです。そうやって、役所が決めた生活保護の支給の水準を上げていくんです。

 

今、『不正受給だ!』なんて怒っている人は、お金が稼げなくて苦しい人でしょう。頑張って働いて手取りが10万、でも生活保護なら働かないで月7万、それってどうなのって怒る。でも、自分ももらえるとなれば生活保護受給者は攻撃相手じゃなく仲間になるはずです」

 

その方法を突き詰めて、生活保護を国民全員に支給することが実現したとして、日本の財政が破綻したり、国民みんなが働かなくなって日本経済が沈没したりしてしまわないのだろうか?

 

「月々の生活費が保障されれば『おこづかい程度で働けばいい』と低い時給が受け入れられるようになります。すると時給が300円くらいに下がって、海外との価格競争に勝てるようになる。

 

そうやって、利益を上げた企業に納税してもらって財源とする……というのはどうでしょう。時給が下がれば商品価格も下がるので、少ない金額でも快適に暮らせるようになりますよ」

 

社会のお金の配分の優先順位を変えてはどうかという提案もしている。

 

60代の人に医療費1500万円かける前に、20代のうちに1500万円渡すんです。例えば60歳でがんになると社会保障費の負担が年間2000万円くらいになります。そのお金を若いうちに出してもらえたら、安心して子どもを産み育てることができ、少子化も解決するのでは?

 

その子が育てばなんらかの形で納税するようになり、1500万円くらいは回収できます。そして税収が増えれば、高齢者に回せるお金も増えるというわけです」

 

日本の社会をよい方向に変えていくため、私たち庶民に今できることは?

 

「やりたい仕事があるわけではなく、とにかくお金がなくて不安なら、生活保護の申請をしましょう。生活の不安がなくなって、時間にゆとりができれば、何か新しいアイデアが生まれるかもしれない。あの『ハリー・ポッター』第1作も、シングルマザーが生活保護を受給しながら書いた作品なんですよ」 以上、ここまで。

 

2 僕の意見。

 

前回の記事にも書きましたが、好きなことを仕事にして大儲けする人はほんのごく一部です。

 

ハリー・ポッターを書いた著者の例も本当にごく一部です。

 

つまり、大多数99%はベーシックインカムを導入しても、そういう好きなことを仕事にして大儲けして多額の税収を納めるようにはなりません

 

これがまず一つ。

 

では、ひろゆき氏の言うように「月々の生活費を7、8万で保障して、あとはお小遣い程度で稼げればいいとなり、時給300円の世界を受け入れられるのか?」問題が来ます。

 

時給が下がれば商品価格が下がるとはまさにデフレ現象です。民主党時代に起きたことですね。

 

デフレスパイラルの危険性はないのでしょうか。。。

 

月々、7、8万が完全保障されても、それだけで生きていくのはなかなか難しいでしょうから、正社員で働いている人以外はバイトを必ずするでしょう。(地方ではギリギリ、超貧乏生活をすれば可能かもしれません)

 

時給300円になったら、1日8時間のバイトで2400円、それを週に5日やれば12000円。1か月だと12000円☓4=48000円です。

 

従来なら、最低時給は全国平均で874円(東京都なら985円)でした。

https://mainichi.jp/articles/20180811/k00/00m/040/090000c

 

以下、地方をモデルとしてシュミレーションします。

 

まず、従来の最低時給「874円」で計算してみます。

 

これ(874円)で計算すると、1日8時間のバイトで6992円。それを週に5日やれば34960円。1か月だと、34960☓4=13万9840円です。

 

これは正直、正社員(残業ない)並みの労働時間のバイトの人です。

 

ここまで働くとなると、好きなことをやる時間がかなり減るでしょう。

 

もっと労働時間を減らさないと、ハリーポッターなどを生み出す1%の人にはなりにくいと思われます。

 

ここからは時給300円の世界の話です。

 

ひろゆき氏の提唱する世界は完全にデフレ世界です。物価が下落している世界です。

 

時給300円で雇えるなら、企業の価格競争力も上がりますが、同時に収益も減ります。

 

となれば、税収もあまり変わらないのではないか?と予測できます。

 

そもそも、グローバル企業(世界に打って出る企業)というより、国内企業(特にサービス業)を対象としているのは明らかであり(時給300円ですから)、全国一律で全ての産業で時給300円現象は起きにくいでしょう

 

まず、僕の思考実験ですが、月額7、8万が完全保障された後、時給300円が成立するのか?大いに疑問です。

 

何かしら働かないといけない人は多くなりますが、わざわざ時給300円のバイトを選ぶかどうか?です。

 

その世界において、ITやその他の単価の高いバイトが存在するとしたら、そっちを目指す人が多そうだと予測できます。

 

今の人手不足の単価の安いサービス業(飲食業、介護、建設業、物流など)は時給300円にできるのか?です。

 

ただでさえ、人手不足で吉野家などは人がいないと騒いでいますし(本当は安く雇えないだけ)、コンビニも夜間の営業を停止すべきか?など論じています。

 

何かしら働かないといけなくなるとして、時給300円だと上記に書いたとおり、正社員並に働いても48000円しか稼げません。

 

で、ここから地方版のシュミレーションしますが、生活する場合、家賃と光熱費と食費と水道代と通信費などかさみますよね?

 

家賃は地方なら比較的、安く住めます。(今後、空き家も多くなるでしょう)

 

光熱費水道代は運営企業は値下げするのでしょうか?

 

この業界は価格競争力がなく、エネルギーなどは海外からの輸入に頼っており、安くしづらいです。

 

食費は時給300円の世界が完全到来したら、企業群はどんどん値下げできますが、月7、8万の支給と企業の値下げ動きにはタイムラグがかなりあります。(「同時に物価が安くなるわけではなく、時給300円が実現したら値下げできるかもよ?」という話に過ぎません)

 

通信費も値下げできるのでしょうか?国民の大半(特に若者)は通信費にかなりの金をかけています。(スマートフォンなどの端末も含めて)

 

これは海外勢に押されています。通信費が安くならなかったら、時給300円の人は月7、8万+48000円で、最大で月12万48000円しか稼げません。

 

どうやって暮らしていくのでしょうか?

 

以下、シュミレーションです。(物価下落前の予測)

 

家賃。月4万(地方)。 1人暮らしの1か月あたりの光熱費の全国平均が1万1380円

 

1人暮らしの1か月平均の食費は3~5万。(自炊で2万に抑えられるらしい)

 

1世帯(調査世帯人員平均2.99人)の月額の通信費の平均金額は2017年度は1万7771円です。

 

これだけで、合計89151円になります。(ちなみに食費はかなり安めの2万で計算しました)

 

これに移動代(電車やバスや車のガソリン代など)や、その他(服代、電化製品(ひげ剃りなど多数)、化粧代、散髪代、小物など多数)がかかります。

 

ひげ剃りは2年くらいで4000円くらい?、化粧代は人それぞれで、散髪代は安くて1200円カット?、服代も人それぞれ、小物(シャープペン、印刷用紙、はさみなど多数)も月に1000円くらい?、など多数かかります。

 

ガソリン代は以下です。

大都市:3万8500円/年 

中都市:6万3512円/年

小都市:8万238円/年 

小都市(町村):9万4857円/年

 

地方ですから、中都市以下でしょうね。最低基準で中都市として設定して計算しても、年6万3512円÷12か月=月5292円となります。

 

月に換算すると、だいたいガソリン代5292円以上、散髪代1200円?、小物代1000円?とすると、7492円です。(これに、服代、電化製品、化粧代、自動車、自転車などかかります。月じゃなくてバラバラな出費です)

 

ちなみに、これは主に地方をモデルとしたシュミレーションになっています。(しかも物価下落前)

 

地方でも、かなりカツカツの状態ということです。

 

12万48000円(月額8万支給+バイト代)ー約89151円(家賃、光熱費など)ー7492円(ガソリン代など)=28157円が月額の余裕資金です。ですが、本当はもっとかかります。

 

自由に使える額は2万ぐらいになるのでしょうかね。。。 (あ、あと保険料や国民年金などそういう系統の話は除いてシュミレーションしています)

 

本代などは除いており、本を買おうと思ったらもっとかかります。だから、図書館を利用するしかないでしょうが、地方の図書館は充実していないです。

 

もちろん、タイムラグがありますがデフレも進行して、もっと生活費が安くなる可能性は残ります。(とはいってもおそらく、水道代、光熱費、通信費、ガソリン代などは安くならないでしょう)

 

また、上記のシュミレーションはあくまで一人暮らしをモデルにしたものであり、実家暮らしなら家賃、食費、水道代、光熱費などはかからないかもしれません。(というか、そもそも実家暮らしなら現在でも片手間のバイトである程度、生活できます。ベーシックインカムを支給する意味がわかりません)

 

この月額2万の余裕資金生活(ひろゆき氏は完全保障された世界なら心と身体のゆとりが生まれると思っているようだ)でハリーポッターなど名作が多数生まれるのでしょうか?

 

しかも僕が思うに、これは日本全国の物価を下げる政策であり、海外からの出稼ぎに来る人からしたら魅力減になり、来なくなります。

 

外国人労働者も来なくなるのです。(建設や介護などにおいて)

 

こんなことをするぐらいなら、僕が前から言っているようにやる気・意欲があり、才能ある人を選抜して集中投下して資金を提供した方が効果が高いと思われます。

 

ひろゆき氏の目的はハリーポッターなどの競争力ある産業や商売が生まれて、税収が増えることなどでしょう?(違いますかね)

 

それならばやる気がある人だけに集中投下すればいいわけであり、やる気がない人間にまで資金を使うのは単なる金の無駄遣いに過ぎません。

 

企業なら筋がいい企画以外、採用しません。なぜなら資金量に限度があるからです。

 

国にも同じことが言えます。見込みのある若手にチャンスを与えればいいのです

 

それに思うのですが、今ならプログラミングもかなり安く学べます。

 

僕だって図書館をフル活用し、書籍代は月に1万円以下です。(ほとんど借りて済ましています。そこそこの圏だからこそ図書館がある程度、充実している面はあります)

 

さらに大学にも行かず、学費もかかっていません。全て、独学です。

 

独学でやって図書館フル活用、人脈もほぼないけどスカイプちゃんねるなどで資源制約下で贅沢を言わない人間関係で学んできた僕からしたら(しかも長年、体調不良と実家暮らしで家賃節約)、大学無償化ベーシックインカムなんて贅沢に聞こえます。

 

僕は幸い、時間だけはあるのでほぼ、全部、投下しています。

 

だいたい、人間なんて7割以上の人が怠け者であり、本当に勤勉な努力家なんて一握りですよ。(ひろゆき氏は勤勉な人間の割合を知っているのでしょうか?サラリーマンでも自己投資している勤勉な人は3分の1です。つまり3割です)

 

そういう怠け者7割以上にまで、なぜ一律7、8万も配って新しい産業や芸術家が生まれると思えるのかが不思議です。

 

それより、勤勉な人や才能ある人だけに絞って投下した方が費用対効果がかなり良いでしょう

 

ハリーポッターの著者のような人をあらかじめ見つけ出せて、こういう人だけは生活保護を支給できるようになれば効率が良いんでしょうけどね。(ピンポイントに支給できれば効率がかなり良いです。ベーシックインカムのような全体支給にすると、99%のハズレ人材に投下するのでかなりの無駄撃ちになります)

 

確かに、宝くじ人材はいると思いますがかなりの無駄打ち政策であり、かなりの非効率さです。ムダ遣いということです。

 

ひろゆき氏は生活保護をもらうには?という問いに真面目に?「腕を切り落としたらいい」と毎回、言っており、怖いです。

 

腕を切り落としたら、創作活動もできなくなるんじゃないでしょうか?ただ、弱者を増やして生活保護を受給させたい狙いなのでしょうか。よく分かりません。

 

僕の予測ですが、ひろゆき氏は「自分と同じ7割の怠け者の同胞を助けたいという願望」が発端のような気がしてなりません。(あくまで予測です)

 

PART2に続きます。 

ベーシックインカムで仕事やバイトはどうなるか。「好きなことをして生きる」論の是非3 PART2

 

ではこの辺で。(6606文字) 

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00236/

https://www.joyobank.co.jp/woman/column/201501_02.html

https://okane-answer.jp/articles/524793123068da66861804dc538444ba

 

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