企画書の書き方「有料級!企画・新規事業・政策立案の発想法」

  • 2020年2月26日
  • 2021年1月3日
  • 有料系
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どうも、武信です。(No776)

 

本屋再建策2という記事の前置きで、以下の文章を書きました。

企画書の書き方「本屋再建策2」

 

前回の記事が以下です。キラーコンテンツとは?&本屋再建策「ヒット商品、キラーコンテンツ、スターがいれば業界、会社は盛り上がる」というタイトルですね。

 

で、発表した後に瀧本哲史氏のツイートが流れました。

 

「リソースがないから、リサーチも分析も十分にしないまま、思いつきをそれっぽいフレームワークにまとめて、パワポにすることが、企画だと思ってるのは、公共、民間セクター問わず、衰退する組織で広く観察される。」以上、ここまで。

 

僕には嫌味?に聞こえましたw

 

そして、確かにリサーチは不足していたことは認める結論に至りました。

 

つまり、現状把握・現状分析についてはあまり詳しくやらなかったのです。

 

ですが、解決策についてはあまり変わらないと気づきました。

 

企画書は解決策が一番、重要であり、解決策で売上が伸びれば成果があるという証明になります。

 

現状分析・現状把握をしっかりやらなくても、方向性が正しければ解決策が上手くいく可能性があり、それで売上が上がるのかもしれません。

 

逆に、現状分析・現状把握をきちんとやっているのに、肝心の解決策がピントがずれる人もいます。(これは一番、マズイです)

 

こういう一例として見ていただけたらと思います。そもそも、僕は瀧本氏のようにマッキンゼーで鍛えられていなく、独学で企画書の書き方学んでいたのでね。。。 以上、ここまで。

 

8月16日に瀧本氏の訃報が流れ、病と戦っていたことを知り、嫌味?じゃなく忠言だと捉え直すことにしたことを書き残しておきます。

で、今までは現状分析が間違っていても、解決策が変わらないと書いてきましたが、今回の記事(2020年教育改革への僕の本・高齢化問題10「僕の高齢化問題解決策2」)で、現状分析が明らかに間違っており、その結果、解決策も変わるという当たり前の事態になりました。

 

やはり現状分析は大事という結論です。(前回はまぐれでした)

 

今回、企画発想・政策立案を2件してみて、気づいた点を書いていきたいと思います。

 

有料情報です。

 

 

1 俯瞰経営学からの引用1。

 

俯瞰経営学からの引用です。

 

ここで2つの概念を紹介します。(経営戦略の話も書きます)

 

「プロダクト・アウト」(作ったものを売る)や「マーケット・イン」(売れるものを作る)というものです。

 

プロダクト・アウトは自社の資源目線であり、作れるモノから発想します。

 

マーケット・インは顧客目線(ニーズ)であり、自社で足りない資源は他社と協働や提携や外注、さらにはM&Aしたりして売れるモノを作ります。

 

マーケット・インがニーズ重視であり、売れるモノ造りのためには他社との協力も欠かさないことから一見、優れているように思いますがそもそも売れるモノを探るのが大変です。

 

しかし、マーケット・インを重視しないといけないと思います。

 

顧客は企業の都合なんてどうでもいいのです

欲しいものを供給してくれればいいのですから。

 

欲しいものということは相手目線であり、自分の強みとか働きがいなんて顧客にとってはどうでもいいわけです。

 

もちろん強みは競争に打ち勝つ上で大事ですし、従業員の働きがいが会社の強みとなるケースもあります。

 

しかし、一番、優先させるのは顧客のニーズです。

 

それが実現されるために、競争上優位に立つための強みや従業員の働きがいなどがあるわけです。これらは二番目です。

 

ニーズを満たす、実現させるためには技術や資源(リソース)が必要です。

 

ニーズから発想して、自社の技術や資源で勝負するか、または外部から調達したり、他社と提携するか、それとも技術や資源から発想し、ニーズを実現させるかの視点の違いがあります。

 

ちなみに、技術から発想するのは技術起点アプローチです。

 

とはいえ、資源(リソース)ありきの経営も分かるのです。

 

ニーズが判明したり、企画や戦略が思いついても、資源がないケースが多いと思うからです。

 

僕も泣く泣く企画案「職業SNS」を諦めることになりました。(職業SNSの企画案は僕の自著「キュレーターのビジネス企画発想とはこのようなものだ!」に書かれています)

 

人が集まらなかったし、人を雇う資金もないし、自身にサイト構築能力もありませんでした。

 

となると、資源ケイパビリティありきの経営や戦略にならざるを得ません。

資源制約下での戦いになるのです。

 

外部の評論家はこの視点が分かっていません。

資源制約下での戦いを理解してないのです。

 

資源が縦横無尽にあり、何でもできて打ち手が出せると考えています。

 

ニーズは分かっていて、企画や戦略も分かっていても手を出せないこともあるのです。以上、ここまで。

 

2 俯瞰経営学からの引用2。

 

俯瞰経営学から、さらに引用します。

 

6 マーケティング(ケイパビリティ重視派)

 

さて、資源制約下の状況下において、自社の経営資源(ケイパビリティと以下、書きます)を重要視する戦略は大事、と説く本が出てきました。

 

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」という本です。

 

僕なりに解釈した主張を書きますね。

 

前に書いた「社内の経営資源を重視するRBV派に対して、外部市場における自社のポジショニングを重視するポーター派の対立論争」を思い出してください。

 

外部市場、どの市場で戦うかを決めるのは確かに重要ですが、ケイパビリティも重要です。

 

どちらも重要という結論で終わったはずですが、続きがあったのです。

 

それは資源制約下の企業がほとんどですから、ケイパビリティあってこその経営になります。

 

そして、ケイパビリティとは企業が長い期間をかけて培ってきたものであり、だからこそ、模倣が困難なものです。

 

すぐに模倣できるなら、ケイパビリティなど何の強みでもありませんが、模倣は大体の場合、難しいのです。

 

そして、企業は自社のアイデンティティを確立すべきだと感じます。

 

自社の本当のアイデンティティとは何の価値を提供しているのか(価値提供)、独自のケイパビリティ、製品・サービスポートフォリオと定義します。

 

そのアイデンティティを社員一丸で一貫性をもって維持し、急速に変化する世の中の動向についていくべきなのです。

 

つまり、外部市場の分析は大事ですが、まずケイパビリティありきであり(前に述べたマーケットインは難しいのです。プロダクトアウトありきが現実です)、外部の機会を捉えるといっても、ケイパビリティに沿った機会を狙い、一貫性を持ったケイパビリティ構築という戦略です。

 

日本企業は多角化をケイパビリティに沿った一貫性の基に行われておらず、自社が何者なのか見失っているのではないかということです。

 

ケイパビリティ構築も単一のケイパビリティに依存するのではなく、複数の重要なケイパビリティの組み合わせを作り、差別化を行うべきです。

 

また、コスト削減をただするのではなく、その結果としてコスト削減分をケイパビリティシステム構築に振り向けるべきです。

 

つまり、選択と集中であれば、伸びる事業領域に資源を集中投資します。

 

日本企業は伸びる分野を開拓せず、単にコスト削減に終わっているとするならば、じり貧になり、敗退になるかもしれません。

 

ケイパビリティシステムを作る際には青写真が必要です。

 

その青社員の基にケイパビリティを構築していき(一貫性)、コスト削減分はそのケイパビリティシステムを強化し、青写真を実現することで企業を存続させるのです。

 

ちなみに、青写真の描き方はあくまで自社のケイパビリティの上に描かれるべきあり、マーケットインではありません。

 

マーケットインにしてしまうと結局、他社との差別化もできづらい上に、自社の強みも消してしまい、結局、自社は何者なのかというアイデンティティ消失となるからです。

 

従来の戦略、マーケットインは「我々はどこに向かっているか」「我々はどこで成長するか」というものでした。

 

しかし、ケイパビリティ重視の戦略は「我々はどのような企業を目指しているか」「どのように価値を付加するか」になります。

 

アマゾンの例をあげましょう。

 

アマゾンの青写真として今後10年で変わらないものとして、「顧客が求めるのは幅広い選択肢、低価格、迅速な配送」があります。

 

この青写真は、1990年代後半からのアマゾンの経営方針として全く変わりません。

 

この青写真を描くために、オンライン小売りのインターフェース設計、バックエンドのサプライチェーン管理、マーチャンダイジング、顧客関係管理、技術イノベーションの独自のアプローチの組み合わせというケイパビリティ構築はずっと一貫性があります。

 

この一貫性あるケイパビリティ構築の上にオークション、クラウドベースのサービス、キンドルの電子書籍、オンラインメディア配信、自動化したロジスティクス、速達オプションなどイノベーティブな試みをどんどん導入しています。

 

自社と関係ない領域でアマゾンが仮に勝負したとしたら、手痛い目に遭いそうです。

 

「ファイアフォン」は失敗しました。(やはりiphoneが強かったのです)

 

アップルの例も出しましょう。

 

アップルの青写真とは、3~6つの特徴あるケイパビリティの集合体、総戦力です。

 

例えばデザインは一番初めに頭に浮かびますし、技術統合の能力(他社が開発したものをさらに改良もする)、直感的で使いやすいユーザーインターフェイス、マーケティング力、顧客サポート、iTunesやiPhoneアプリなど他者にコンテンツを作らせるシステムなどのケイパビリティ体系があります。

 

これら総合力で確固たる地位を確立した後はその地位をずっと維持し、高い利益率を上げています。

 

ここからテレビやウェアラブル端末、またはその他の未知の分野に拡大できるかは未知数です。

 

戦略というと縦横無尽に展開できる気がしますが、実は選択肢の範囲は自社の既存のケイパビリティと、これから合理的に構築し買収しうるケイパビリティに限定されるのです。

 

つまり、自社の得意分野と自社がどのような企業かによって、市場での戦い方(戦略)は決まります

 

何でも作れて売れるという戦略は、資源制約下の企業には無理なのです。

 

自社の青写真を描くケイパビリティシステムに合わない事業分野は切り捨てることで一貫性があり、ぜい肉のない筋肉質な企業が出来上がります。以上、ここまで。

 

3 僕の意見。

 

ここまで読んできた人は、「何か小難しいことを言っているなぁ」と思ったかも知れません。

 

もっと分かりやすく説明します。

 

企画・新規事業・政策立案にせよ、「現状分析→解決策」というルートは王道です。

 

現状分析をせずに、いきなり課題に対して解決策を練ると、僕の高齢者問題解決案のように失敗します。

 

僕の場合、脳内だけで解決策を練っており、現状分析をすることもできず、検索すらできない状況下でしたので、仕方ないといえば仕方ないですが。。。

 

例えれば、「真っ白なキャンバスに自由に絵を描くこと」がマーケットインやあるべき姿(理想像)の解決策ですが、現実問題として、真っ白なキャンバスという想定が的外れであり、そもそも「何かが既に描かれたキャンバス」にいろいろと足したり、工夫をするしかない、つまり、プロダクトアウト型の絵の書き方(問題解決策)が普通なのです。

 

僕の場合、「真っ白なキャンバスに自由に絵を描く解決策」で、「集合住宅や団地」案が浮かんだだけであり、それは絵空事であり、まず「何かが既に描かれたキャンバス」(現状分析)をちゃんと見て、そこから絵を描く、問題解決策を練らないといけなかったのです。

 

企業の場合や新規事業も同じです。

 

まったくの新人材だけで、自由に事業をできるケースは少ないでしょう。

 

それよりも、既存の人材や自社のネットワーク内にある強みをある程度活かした上で、新規事業の企画を練らざるを得ないはずです。

 

だからこそ、人の人生においてキャリアパスは重要であり、強みや専門知識構築を持った人材をどう配置し、さらに企業内の資源をどう活かして、新規事業を資源制約下で成功させるか?という見方になります。

 

日本企業がGAFAの真似をすぐしろと言われても無理なわけです。

 

それまでに構築された、資源の質や量や制度などが違うからです。

 

企画書を書く場合は、こういう視点を持って書くべきであり、あるべき姿(理想像)やマーケットインはある意味、空想やSFの世界の話という場合もあり、現実実現性が低くなることもあるのです。

 

というわけで、課題に対していきなりの解決策を思い描いてもいいですが(発想の訓練になるので)、現状分析はきちんとやらないと、現実味がなくなります。

 

サッカーでも、あるべき姿を追い求めても、それを現在の戦力(人材)で実行可能か?となると、なかなか難しいのです。

 

それよりも現在の戦力(人材)でとれるべき最高の戦略や作戦を思い描き、実行した方が現実性が高いです。

 

以上、企画書を書く際の、気をつけるべき点を述べてきました。

 

参考になったら、幸いです。

 

ではこの辺で。(5576文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」 

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