ブログ批判「ちきりんの入社試験有料化の次に来る危険なワナへの意見」「副題 就活の未来予測シュミレーションを覗いてみたくありませんか?」

どうも、武信です。(No20)

 

2013年12月の記事です。

 

前回の記事「ちきりんの就活改善法を引用してレビューしてみた」で、ちきりんは画期的な就活改善法を提案して、僕が意見を述べる展開を繰り広げました。

https://hontonomedia.com/johuntingjobchangejobs/218/

そこから、さらにちきりんは自分の提案に新たに意見を加え、「危険な罠があるよ」と主張しました。

 

で、今回、僕はそのちきりんの主張に反論を加え、また就活市場のシュミレーション予測をしましたが、2018年現在でその予測は外れていた模様です。

 

「どうしてちきりんや僕の予測が外れたのか?その理由や思考プロセスを知りたい方」や、「現在の就活市場のどこに問題があるのか?把握したい人」はぜひ思考実験として僕の記事をお読みくだされば幸いです。

 

1 ちきりんが予測した就活市場のシュミレーションとは何か?

前回の記事が以下です。ブログ批判「ちきりんの就活改善法を引用してレビューしてみた」というタイトルです。

 

この前回の記事に続いて、ちきりんがドワンゴの2525円徴収の件を踏まえて新たにブログの記事を更新しました。

 

「入社試験有料化の次に来る危険なワナ」というタイトルです。

https://chikirin.hatenablog.com/entries/2013/12/02

 

ちきりんがドワンゴの件をきっかけに大企業群が入社試験有料化を推し進めた後に起こる事態を懸念しています

 

それは次のような事態です。

新卒採用市場の支配者のリクルート社様あたりが公式に(今はネットの裏情報でしかない)

「業界別・地域別 就活偏差値」の発表を始め、

「就活模擬試験や就活合否判定」を売り始め、

各大学のキャリアセンターがその情報を大枚はたいて購入する

という状況です。

 

これをちきりんが滑稽と称しています。

「どこの企業に行きたいか?」は偏差値の数字で決めて行くべきじゃないというわけです。

 

2 僕の意見。

ここからは僕の意見です。

 

そもそも前提として偏差値を出すには就活生の一斉試験が必要です。過去問も必要です。じゃないと偏差値が出ません。

企業は個別に試験や選抜しています。大企業群が団結してセンター試験のような一斉試験を設けるとは思えません

企業は公平性の問題を必要としていません。企業は主観で自社で活躍する人材を採りたいのです

 

ここまで理解できましたでしょうか?

 

そして、いくらリクルートなどが企業の採用動向を調べつくして多くの大企業に通用する共通知識や能力試験を作り、それを就活生に広めて偏差値を出してもそれを大企業が信頼するでしょうか?

大企業それぞれは個別に自社で特有に活躍する人材が欲しいのです。

 

偏差値で出せるような一般化した知識などはそれほど参考にしないのではないでしょうか?

 

大学受験では公平さが日本では信じられているので自分の実力に合った大学にしか行けないようになっています。

ですが企業は独自の採用基準があり、偏差値に頼る必要はありません。企業側は偏差値を盲信しないと思われます。

 

★企業が一番嫌うのが、偏差値的な画一的人材ですからね。。。

 

3 僕の意見2。

僕の意見の続きです。どういう事態になるか想像力を働かせながら読んでください。

 

問題は就活生側です。

リクルートなどが作った「大企業向け就活基本試験」のような試験を参考にする可能性が就活生にはあります。

 

入社試験有料化の後なら就活生は必死に厳選して企業を受けるので「大企業向け就活基本試験」の存在を頼りにする心理はあります。

リクルートも企業の動向や採用基準を調べ上げて、試験にし、「就活生が試験料を無駄にしないために偏差値を参考にして!」と訴えるかもしれません。 

これがちきりんの懸念になるのでしょう。

 

企業側は高偏差値などはそれほど気にしなくても就活生側が偏差値を参考にして会社を受ける事態はありえます

試験料を無駄にしたくないからです。

こういう試験ができるのか?は不透明です。

もしかしたら大企業群が一斉に入社試験料を徴収し始めたらニーズが出てくる可能性はあります

 

4 僕の予測。

ここで僕の予測です。

 

では僕の入社試験有料化の後に起こることの予測を書きましょう。以下になります。

 

大企業群がドワンゴの後を追随しますが各社それぞれの裁量が残るので一斉にはなりません。(政府が規制をかけるなら別です)

ソニーやトヨタなどが導入すると他の有名大企業も追随する恐れがあります。

 

理由は入社試験料を採らない企業はブラック企業の烙印を押されかねないからです。

 

他の大手大企業は試験料を取ってまで本気の学生を採用しています。なのに試験料を取らない会社は「もしやブラックなのでは?」と思うのです。

自社にやましい理由があるから、試験料を取らないで就活生に無料で受けさせているのでは?と。

 

そうなると大手企業はどんどん導入しだします。

ほとんどが導入し終える中で価格競争も始まるかもしれません。

ドワンゴは2525円でしたが、ソニーは3500円。

ソニーには本気の社員しか受けなくなります。

 

そのうち、1万円を取る企業も現れるかもしれません。ですがさすがに1万円だと受験者が激減します。金を出せば合格になる危険もあります。

 

価格競争はどこかで適正な水準に収まります。

それは3000円くらいかもしれないし、1000円かもしれません。ですが就活生の金銭的負担は確実に増します。

 

ですがこの試験料を取るシステムは非常に良いのです。

理由は記念受験をする人が確実に減るからです。

 

金を払ってまで試験を受けるのだから持ち金の制約を受けます。

100社も受けられないかもしれません。2525円×100は25万2500円です。けっこうな額です。

 

他の就活生が受ける会社を吟味しだせば会社の応募者数が絶対的に減ります。

つまり、就活生は本気で受かりそうな企業を厳選して受けるようになり企業もその中から選べます。(しかも応募者が減るので選ぶ負担が減ります)。

 

試験料を取るシステムは大企業の選ぶ負担を減らすのです。

 

懸念点としてはちきりんが挙げたリクルートらによる試験による偏差値重視などでしょうか。

 

企業側は偏差値など気にしなくても就活生は気にします。試験料を取られるので効率的に受かりそうな企業を受けたいからです。

そのために模試を参考にするかもしれません。

 

自由競争だからリクルートがニーズに合致した模擬試験を作るのは自由です。

それを参考にするかしないかも就活生の自由です。もし本当に効率的に受かりそうな企業を選べるのなら、模試や偏差値の存在意味はあります。

 

企業側は偏差値を重視しなくても就活生自身に効果があるなら意味があります。

そのうちその偏差値が当てになるようだと企業の意識すら変わる可能性があります。そういう偏差値社会は嫌ですけどね。

 

5 2018年になって記事を読み返して。

2018年になってから、過去の僕の今回の記事を読み返して、改めて思ったことを書きます。

 

僕の予測は外れていました。

理由は大企業群が追随しなかったからです。(当時、僕が書いたシュミレーション記事を読んで大企業群が追随しなかった可能性もあるかも。。。)

 

あくまで僕のモデルは大企業群が追随したらという前提ありきでしたからね。

 

また今は大企業も効率よく採用者を絞る手段を持ち始めました。

AI採用です。または学歴フィルターも復活しつつあるようです。

 

こうして従来の記念受験を含めた大多数の応募者でも処理しきれているのでしょう。

 

就活生から金を取るという仕組みは普及しませんでした。

普及したら僕の予測の一部は当たっていたかもしれません。

 

就活生から金を採らないし、多数の応募者が来てもAI採用や学歴フィルターで処理しているのでしょう。

AI採用や学歴フィルターがなかったら、多数の応募者の処理に困って応募者を減らそうと、就活受験料を取る企業が増えたかもしれませんが今はもうなくなりそうです。

 

時代の変化は早いですね。

 

6 まとめ。

最後にまとめます。

1 ちきりんはリクルート社様あたりが公式に

「業界別・地域別 就活偏差値」の発表を始め、

「就活模擬試験や就活合否判定」を売り始め、

各大学のキャリアセンターがその情報を大枚はたいて購入する、と予測しました。

 

2 僕はちきりんの予測が的中するためには、大企業群が団結してセンター試験のような一斉試験を設ける必要があり、なぜなら「偏差値がでないといけないからだ」と主張しましたが、企業は公平性の問題を必要としていない上に、企業は主観で自社で活躍する人材を採りたいので、画一的な偏差値人材を嫌うと主張しました。

 

3 しかし、就活生側はリクルートなどが作った「大企業向け就活基本試験」のような試験を重要視する可能性があり、なぜなら大企業側が受験料を徴収するので、厳選して企業を受けざるを得ず、そのためには偏差値を気にして受験料を無駄にしないように自分が受かりそうな企業を受けたいという誘因があるからだと僕は予測しました。

 

4 僕の予測としては、大企業群がドワンゴの後を追随しますが各社それぞれの裁量が残るので一斉にはならず、徐々に追随して、受験料徴収の価格競争が始まりますがどこかで適正な水準に収まり、この提案の良さとしては記念受験組が減ることであり、大企業群側としては選抜コストの負担が減るとしました。

 

5 ですが、2018年になって振り返るとこの僕の予測は外れ、理由として大企業群が追随しなかったからであり、また大企業側も新たな採用手法であるAI採用を活用し始め、さらに学歴フィルターも復活し、効率よく採用者を絞る手段を得たので、受験料徴収による記念組排除が必要なくなったということでした。

 

ではこの辺で。(4428文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

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