日本的経営の終焉と冨山和彦氏の書籍の画期的な日本の未来への提言!書評・レビュー「コーポレート・トランスフォーメーション」

どうも、武信です。(No963)  

 

前回の記事で、冨山和彦氏の「コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画」を紹介しました。

乱世の奸雄とは?「平時のときと、乱世のときではリーダーに求められる能力が違う」

 

今回は続編となる「コーポレート・トランスフォーメーション」の書評・レビューです。

 

冨山和彦氏は「かなりの能力者である」と僕は思いました。

興味がある人は続きをお読みください。

 

1 この本の簡単な要約。

この本の簡単な要約をします。

 

「日本的経営」はもう絶滅危惧種であり、令和時代以降には通用しません。(30年以上も停滞した理由は日本的経営のせいです)

 

「日本的経営」が通用しなくなった理由は、グローバル化により、「プレーヤーが増えたこと(韓国や中国など多数)」、「デジタル革命による破壊的な革命」の2点です。

 

「日本的経営」がかなり詳しく分析されており、興味がある人は本を読んでみてください。

 

これからの時代は「両利きの経営」が求められており、「深化と探索」が必要です。

 

大企業で言えば、深化とは「既存の稼ぎ頭事業の改善」であり、探索とは「別働隊や新規事業で新たな稼ぎ頭を作ること」を指します。

 

今までは野球競技をやっていたのが、今後はサッカーの競技になる、またはテニスやバスケに変わるかも知れないと言っています。

その時代の変化に適応できない社員は通用しなくなり、解雇されるかもしれません。

 

「両利き経営」の際、例えば自動車産業にも、不連続な環境変化が始まっています。

 

製品のバリューチェーンを見ると、川上(企画・設計・部品)と川下(販売・メンテナンス)側の利幅が厚くなる一方、真ん中の製造工程(組み立て)はほとんど利幅が取れなくなりり、この現象を「スマイルカーブ」と呼んでいます。

 

図表が、口角を上げた笑顔の口に見えることから、「スマイルカーブ」と呼ばれています。

 

パソコン業界で言えば、川上のCPUを押さえたインテル、川下の顧客との接点を押さえたマイクロソフトに阻まれ、真ん中の製造工程を担っていた日本のパソコンメーカーは苦境に陥りました。

 

インターネットとモバイルの時代になってからは、川下側はGAFA、川上側のコンポーネントプレイヤーにクアルコムアームやAI領域のNVIDIAがいます。

真ん中にいたサンヨーシャープは退場してしまいました。

 

ソニーはスマイルカーブの両端にいる4事業(コンピュータゲームプラットフォーム、金融、エンターテイメントコンテンツ、CMOSセンサー)が収益を支えています。

 

スマイルカーブで危機が訪れたのが、グローバル製造業であり、例えば、最初にパソコンがやられ、次にAV家電がやれれ、この先、自動車にも流れがやってくるといいます。

 

自動車産業だけじゃなく、産業機械化学系素材系、さらにはサービス業も「スマイルカーブ化現象」に巻き込まれるといいます。

 

金融メディア「ゆでガエル産業群」だとも言っています。(徐々に衰退していくという意味です)

詳しくは本をお読みください。

 

CX(コーポレート・トランスフォーメーション)は、革命であり、国でいえば「憲法大改正のようなもの」だと著者は言います。

 

「憲法改正前」と、「憲法改正後」の具体的で詳しい内容は、本をお読みください。

 

「旧憲法」と「新憲法」の違いが明確に分かり、変わらないと日本の未来はないことが分かります。

 

次に、CX達成度の見極めになるのが、M&Aの成功確率です。

 

M&Aは正確に定義すると、米国の調査ではだいたい8割ぐらいのM&Aにおいて、「買収時の企業価値(業績)が買収後に下がってしまう」と報告されています。

 

著者の経験上では、事業会社が「戦略的理由でシナジーや時間を買う効果を期待したM&A」の9割方が失敗に終わっているといいます。

 

逆に、投資ファンドのような「財務的投資家がそういうややしこいことを言わずに買収した案件」の方が、買収前後の企業価値の上下という観点では、成功確率が高いといいます。

 

著者の「産業再生機構」もある意味、財務的投資家でしたが、2年間で41社もの買収を行い、その経済的な勝率は9割近かったそうです。

 

戦略的買収が失敗しやすく、投資ファンド買収が成功しやすい理由については本をお読みください。

 

大企業のマイクロソフトが蘇った理由についても、本では詳しく解説されています。

 

さて、日本の大企業は、「企業は人なり」と言っておきながら、優秀な人材に選ばれる努力をしていないと言います。

 

大企業の言い分として、「東大卒の大半は文系なら公務員か民間なら大手の商社や銀行。理系なら電機メーカーや自動車メーカー、通信インフラ会社に入る」と言います。

 

ですが、東大は毎年3000人もの入学者がいて、男女を問わず世界クラスの優秀な人材にりうるのはそのうちの上位10%ぐらいだといいます。

 

今は、文系、理系を問わず優秀でやる気のある東大生のファーストチョイスは「テクノロジー系ベンチャー、社会課題解決型ベンチャーの起業」であり、その次は「プロフェッショナルファーム」大企業はその下の平均的な東大生です。

 

東大・京大の2020年の現役就活生が選ぶ、人気企業ランキングが以下です。(ワンキャリアが公表) 

1位 マッキンゼー・アンド・カンパニー。

2位 ボストン・コンサルティンググループ。

3位 ベイン・アンド・カンパニー。

4位 野村総合研究所。

5位 アクセンチュア。

6位 A,T,カーニー。

7位 ゴールドマン・サックス。(石原さとみさんの旦那の会社)

8位 モルガン・スタンレー。

8位 三菱商事。

10位 デトロイト トーマツ コンサルティング

10位 経営共創基盤(IGPI) 著者の会社。 

12位 ローランド・ベルガー。

13位 三井物産

14位 PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー。

15位 伊藤忠商事。

15位 P&G Japan。

17位。J.P.モルガン。

18位 ドリームインキュベータ。

19位 Strategy&

20位 アーサー・ディー・リトル。

 

本には2019年順位も載っていましたが、省きます。(著者の会社の経営共創基盤(IGPI)は2019年だと、44位なのでかなり躍進しました)

 

著者の本を研究して、大企業が本気で改革に取り組めば、優秀な東大・京大生から選ばれる可能性もあるかもしれませんね。

 

第4章では、「CX=「日本の会社を根こそぎ変える」を進める方法論」」が書かれています。

 

第5章では、「日本経済復興の本丸 ー 中堅・中小企業こそ、この機にCXを進めよ」と書かれています。

 

GDPの約7割「小売、卸売り、飲食、宿泊、エンターテイメント、地域金融、物流、運輸、建設、医療、介護など地域密着型のサービス業と農林水産業」であるL型産業が占めています。

 

逆に、「製造業を中心に海外の市場を主戦場に稼ぐグローバルな産業」はG型産業であり、GDPの3割程度しか生み出せなくなっています。

 

L型産業を担っているのは圧倒的に「中堅・中小企業」であり、雇用でみると、「資本金10億円超の大企業の正規雇用者比率」は全勤労者の20パーセン程度まで下落しているので、中堅・中小企業で働く人々は「サービス業に多い非正規雇用など」が多数派になっているのです。

 

大企業が集まっている東京都でも、この構図は概ね該当します。

 

グローバル化などにより、G型産業は国内雇用を失い、そこから吐き出された雇用の受け皿となってきたのが「低生産性、低賃金のL型経済圏」であり、GDPを押し下げています。

 

若者は少しでも「高生産性、高賃金」を求めて大都市に流入しますが、そこでも「高い住宅費、生活費」をまかなって余りあるナイスな仕事はなく、L型産業に従事することになります。

 

そうなると、経済的に厳しくなり、結婚も子育ても難しくなり、東京の出生率も低くなるでしょう。(未婚率が高いのが少子化の根本原因ですけどね)

 

著者は、最低賃金の引き上げを唱えるデービッド・アトキンソン氏と一致点が多いと言い、中小企業の再編も主張しています。(ゾンビ企業を減らし、会社の数を減らすのです)

 

デービッド・アトキンソン氏の思想は以下の記事に書いてあります。

https://toyokeizai.net/articles/-/305116

この法律が日本を「生産性が低すぎる国」にした

 

このデービッド・アトキンソン氏に反論する記事もあり、以下です。

https://toyokeizai.net/articles/-/339534

アトキンソン氏に反論する-日本の生産性低迷は大企業の問題だ-

 

他にも中堅・中小企業についての情報が盛りだくさんとなっています。

 

「ローカル版旧憲法」や、「ローカル版新憲法草案」も載っています。

 

第6章は、「世界、国、社会、個人のトランスフォーメーションは、どこに向かうのか?」です。

詳しくは本をお読みください。

 

2 ツイッター書評。

 「「コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える」4点。冨山和彦氏の本。389ページもある大著。独特な文体と、巧みな比喩で難しい内容を分かりやすく表現している。日本の大企業・中堅・中小企業へのCX提言書である。3.5点にしようか迷ったが4点に。」以上、ここまで。

 

正直、3点ほど低くなく、4点に到達するかは微妙であり、細かく点数がつけられるなら3.7点といった感じです。

四捨五入したら4点になるので、4点をつけました。

 

著者の本も良いですが、本当に著者の思想を深く理解したいなら、著者からコンサル?を受けた方がいいでしょうね。

金がない人は、本を買えば格安で、ある程度の著者の考えが理解できます。

 

興味がある人は、ぜひお読みください。

「コーポレート・トランスフォーメーション」

 

ではこの辺で。(4349文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・Youtube動画などを基にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

参考・引用文献。

「コーポレート・トランスフォーメーション」

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