どうも、武信です。(No795)
「決定版ビットコイン&ブロックチェーン」という本を参考にしてまとめます。P81~93。
通貨の定義について詳しく知りたい人、または仮想通貨、暗号資産について知りたい人は続きをお読みください。
小難しい内容?なので、抵抗ない方はどうぞ。
1 通貨の定義。
通貨の定義とは以下になります。
法定通貨。
強制運用力がある。
例。紙幣や硬貨など。
任意通貨。
受け取る側がよしとすれば支払が成立しますが受け取る義務はない。
国家の裏付けはない。
仮想通貨。
分散型(ビットコイン)と中央型がある。任意通貨である。
つまり仮想通貨とは国家の裏付けを持たない決済手段であって、汎用性と転々流通性を備えるものです。
国家が仮に仮想通貨を発行するとしたら、任意通貨じゃなくなるので、法定通貨の一種になります。
ネットにつながれば、国境を超えても送金できますが、国外では強制運用力を持たないので、国外では外国通貨の一種になります。
デジタル通貨。
「ブロックチェーン型の法定通貨」のことを指す。
国家が仮想通貨を発行するもの。
デジタル通貨という用語はブロックチェーンで構成されることを必須としないため、厳密にいえば、デジタル通貨という概念はブロックチェーン型の法定通貨より、広い概念です。
強制運用力を持つ。
こうして「ブロックチェーン型の法定通貨」は、「民間の発行する中央型仮想通貨」と競合することになります。
中央型仮想通貨。
市中銀行やIT産業などが発行主体として名乗りをあげています。
しかし、任意通貨が社会インフラとして受けいられるのは並大抵ではなく、そのライバルは法定通貨です。(デジタル通貨でもある)
他国の中央銀行が発行する「ブロックチェーン型の法定通貨」がライバルになるかもしれません。
2 通貨対抗の流れ。
こうして、「分散型仮想通貨(主体のない)」と「あらゆる中央型仮想通貨」と「外国発行の法定通貨」が競争する時代になるかもしれません。
この流れに対抗するために、「中央銀行発行のデジタル通貨」が「民間発行の中央型仮想通貨」と協調する可能性もあります。(「中心を持たない分散型仮想通貨」の設計思想とは相容れないですが)
この2つが協調すれば、「海外で発行されたデジタル通貨」の流入を抑えることができます。
ですが、分散型仮想通貨の流通を制することはできないでしょう。
デジタル通貨と中央型仮想通貨の連携した決済システムと分散型仮想通貨という、独立系の決済システムが共存する社会が到来するかもしれません。
3 通貨とは結局なんなのか?
通貨というものは、誰もが通貨と思うものが通貨となる性質を持ちます。
ビットコイン(分散型仮想通貨)には裏付けとなる資産はありません。
なぜなら発行主体が存在しないからです。
保有する資産もありません。ですが、通貨として流通しています。
発行主体が存在すると、企業としての財務状態や経営者の人柄などの信頼性の根拠(信用)を探すことができます。
しかし、発行主体が存在しなければ、信用調査をしようがありません。
結局、分散型仮想通貨(ビットコインのような)はみんなが通貨だと思って受け取ってくれるうちは、あたかも通貨のように流通するものなのです。(ビットコインは国家からの自由を体現するために発明されたので、無理もないです)
4 日本電子マネーの仕組み。
電子マネー。
日本で普及しているものは「ICカードをタッチして支払うタイプ」です。
価値をあらかじめチャージしておく前払式なので、チャージされた価値を預かる発行者には法的な責任が生じます。
そのための法律が資金決済法であり、発行企業は業界団体に加盟してルールを遵守します。
ICカードの代わりに、スマートフォンをタッチして支払うこともできます。
ビットコインの利用者は世界中どこにいっても同じ財布(ソフト)を使えます。
国境の概念がなく、国家ごとの特殊な仕様もないのです。
原則はこうなっていますが、日本ではビットコインにも日本特有の方式が取り入られており、お財布ソフトをスマートフォンに入れて、自分で管理するようになっています。
しかし、通帳としてのお財布ソフトには印鑑にあたる秘密鍵が入っており、仮に秘密鍵を失ってしまうと、お財布ソフトは機能しなくなります。
自分の持つビットコインの保有高は凍結してしまい、さらに秘密鍵を盗まれると、ビットコインの保有高は不正に送金されてしまいます。
秘密鍵を安全に管理することは専門家でも難しいのですが、ここで仮想通貨の取引所にお財布を預けておくサービス(取引所)ができあがりました。
取引所は顧客一人一人の秘密鍵を安全に預かり、顧客の依頼を受けて送金や受信を代わりに行い、状況によっては顧客個人の秘密鍵に対応するアドレスではなく、顧客グループの秘密鍵に対するアドレスから送金を行うこともあります。
すると顧客は自分の依頼した送金を、個人の秘密鍵に対応したブロックチェーン上の記録で確認できなくなります。
取引所は店舗とも契約して、「仮想通貨を受け取るためのインフラ」を提供し、仮想通貨の現金化にも対応する、いわば仮想通貨のアクワイアラー業務を行うようになります。
顧客と店舗が同じ取引所を利用していると、あたかも取引所を中心とした三点決済がおこなれているように見え、さらにこの方式が定着すると、電子マネーのような感覚で利用できるため、国内の利用者にとっては仮想通貨が身近な存在になるのです。
一方で、海外からの旅行客にとっては、取引所を中心とした三点決済は異質なものに映ります。
なぜなら、ビットコインの原則はお財布ソフトを自分で管理して、「第三者の関与なしに送金する方式」だからです。
5 中国のモバイル決済サービス。
日本では電子マネーが普及していますが、「ビットコインなどの分散型仮想通貨」がライバルとして登場しています。
もっとも、ビットコインには価格変動や秘密鍵の管理など問題が山積していますが。
むしろ、大きなライバルとなるのは、海外からやってくるモバイル決済のサービスでしょう。
中国ではアリペイやウィーチャットペイなどスマートフォンで支払のできる便利なサービスが普及しています。(あらゆる店舗や出前のバイクや道端の屋台でも使えます)
さらに、支払を受ける側に立つことができます。(日本の電子マネーはできません)
フリーマーケットなどのイベント会場で電子マネーによる支払いを個人が受けることはきませんが、中国のモバイル決済はできるのです。
中国のモバイル決済は人から人への無制限の転々流通を認めているので、中央型仮想通貨に分類されます。(転々流通性は、日本の電子マネーはあえて避けてきました)
日本側の対応として、電子マネーに転々流通性をもたせて中央型仮想通貨に転換するか、同様のサービスを日本でも立ち上げるかになります。
何もしないだと、海外のモバイル決済の国内での普及をもたらします。
ではこの辺で。(3085文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
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参考・引用文献。