どうも、武信です。(No561)
2018年の記事です。
ベーシックインカムという言葉を、聞いたことはあるでしょうか?
最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して、最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策のことを言います。
例えば、月に7、8万の金をすべての国民に配るなどです。
この定期的な額を配り続けたら、好きなことをして生きれるのでは?と提案している人がおり、僕はその論への是非を唱えてます。
興味がある人は、続きをお読みください。
1 ひろゆき氏の動画。
まず、以下の動画を見て下さい。(消されたようです)
これらの動画を見て、思ったことを書きます。
2 ベーシックインカムについての僕の基本方針。
まず、以下の記事で僕はベーシックインカムにだいたいの主張をしました。
理解力とは?シリーズ「理解力こそが人生を左右するスキルである」PART1
理解力とは?シリーズ「理解力こそが人生を左右するスキルである」PART1
ベーシックインカムは、資源が大量に無限に?ありあまるほど、浮き出てくるのだとしたら、実現可能性があります。
そしてその可能性もまったくゼロではないようです。
以下の記事で書いています。
「資本主義の終わり?書評・レビュー「人工知能は資本主義を終焉させるか」」
資本主義の終わり?書評・レビュー「人工知能は資本主義を終焉させるか」PART2
基本的になぜ、「今、ベーシックインカムが実現不可能だ」と僕が思っているかというと、従来の経済学の範疇にとどまる話だからです。
要するに、限られた資源の奪い合いであり、基本的にゼロサムゲームであり、少しの差異で富の分配が決まるのです。
その世界においては限られている資源であるわけですから、全ての人を大金持ちにしたり、成功させることができません。
どうしても、夢敗れる者が出てきます。
そして、マックジョブなどの仕事は、夢破れた者が罰ゲームとしてあてがわれるか、夢を追っている最中などの何らかの事情がある人が就くわけです。
仕事の種類については以下に書いています。
「天職を見つけるには?仕事の適性チェック3分類。橘玲氏の仕事の3分類プラス僕の仕事の3分類。」
「天職を見つけるには?仕事の適性チェック3分類。橘玲氏の仕事の3分類プラス僕の仕事の3分類。」
3 僕の思考実験。
では、思考実験をしてみましょう。
月7、8万、全日本国民に配るとしましょう。
そうなると月、7、8万では本当の地方なら(長崎県とか?)、それだけで生活可能かもしれませんが、基本的には多くの都市や町で足りないでしょう。
予算としては、90兆や100兆必要になると言う人もいます。
今の若者の多くは月、7、8万で暮らせると夢みるプータローのような人が大勢いたとしたら、地方(長崎県など?)に移り住むでしょう。
そうすると、長崎県などでは、住宅費などが需要と供給のバランスで上がることになります。
他の多くの過疎都市でもそうなるとすると、実は旨味がなくなってしまうのです。(旨味はあくまで多くの人が働く選択肢をした中で、人が集まってないからこそ、成り立つ原理でしたからね)
それでは月7、8万で暮らせない場合、バイトをするようになるでしょう。
そして、その夢見る人たちは、マックジョブじゃないもっと華のあるクリエイティブな仕事やプロフェッショナルな仕事に就きたがるでしょう。
そうなると、好きな仕事ができると言う謳い文句のベーシックインカムですが、また需要と供給の法則で、クリエイティブやプロフェッショナル仕事の競争率がかなり上がります。
そして、そういう華やかな仕事ほど求められる能力も高い上に、競争率が激増して、ほとんどの人は夢敗れるでしょう。 (夢敗れると気づくまでは、その人が諦めた時です。つまり、夢を売っている、見させているのです)
a 僕の思考実験での過程において。
では、その過程(地方都市に移り住む層が増加や、クリエイティブ系やプロフェッショナル系を目指す層の増加など)で、結局はマックジョブに就かざるを得なくなります。
多くの人が、理想の環境や仕事に就けないからです。
マックジョブの人気は一時的に落ち(地方都市層増加や、クリエイティブやプロフェッショナル系増加など)、賃金が上がるかもしれませんが、次第にまた収斂していくでしょう。
結局、地方都市での夢見た生活が実現できなかったり、クリエイティブやプロフェッショナル系の仕事に就けないと気づいた者が、またマックジョブに戻るからです。
b 僕の思考実験における好きなことをして生きるベーシックインカム導入結果。
つまり、「好きなことをして生きられる」なんていう、ベーシックインカムの構想は絵に描いた餅なのです。
その間、予算膨張が続き、若者は夢を追う層が増え(最悪、月、7、8万保障してもらえるという安心感)、マックジョブも傍らに、やりつつ過ごす層が増えそうです。
夢を追う層が増えることから、堅実な仕事は人気が落ち、日本の堅実さに支えられた産業は落ちぶれるでしょう。(だって働かなくても、月7、8万もらえるし、いつだって会社を辞めて地方都市に移り住めばいいと思えるからです。ですが、地方都市も需要と供給の法則により、そううまくいかないでしょう)
結局、資本主義での経済学の資源の奪い合いゲームにおいては、富める者は富めるし、負ける人は負けるのです。
全員が勝つ、成功する世界はありません。
これを理解していたら、ベーシックインカムでバラ色の世界が来るなんて思えないはずです。
c 資本主義の本質(差異やゼロサム競争など)を本当に理解しているか?
いつも美味しい話は、一部の層だけが握るのです。(能力が高い人や運もあるでしょうが)
ベーシックインカムで、公務員や公共事業などが大幅に削減できるといいますが、その削減効果はどれくらいなのでしょうか。
また、国民全員(今まで受け取っていなかった層)に金が入るということは、誰かの懐が痛むという話でもあります。
それは老人かもしれませんし、等しく平等に国民全員が薄く負担するのかもしれません。
どもかく、誰かの懐が傷んだ上で、月7、8万構想になるということです。
それが従来の経済学の範疇の話でして、何かが湧き出てくる魔法のような杖はないのです。
需要と供給のバランスで収斂していくのが、基本法則です。
そして、それをお金でコントロールしているのです。
それが資本主義であり、経済学です。
d 今のベーシックインカムを導入していない日本でも一応のし上がることは可能。
今の資本主義の世界でも機会の平等は、日本ではあまり整備されていませんが、一応、差異を出し、のし上がることはできます。
今の従来のシステムでも、差異をを出しのし上がり、富を築くことは可能なのです。
しかし、そのためには知識やきっかけや環境整備がないといけません。
環境整備という名目で、夢を追う者を増やすという建前でしたら、一応、ベーシックインカムを今、導入する意義は多少はあります。
夢を追う者が続出するのであれば(怠けて働く層が増えないのであれば)、意味があるかもしれません。(これも思考実験であり、最近、若者の覇気がないと言われているので、怠ける方向に向かうリスクもかなりあります)
皆に、月7、8万配るくらいなら、プログラミング合宿を無料で宿代込みで行えば済むとすら思います。(やる気のある層だけに将来、活躍しそうな分野での手助けをします)
これをすれば、やる気のある層だけを救うことができる上に、日本の活力も生まれますし、やる気のない層にまで月7、8万も配る必要がなくなります。
e 誰かに配る(富む)ということは他の誰かが負担を必ずしている。
そして、その若者への月7、8万支出は、誰かの負担で補っていることは忘れてはいけません。
やはり、パイを奪い合う競争には限界があり、パイ自体を増やすために、イノベーションを起こしたり、他国への輸出などを考えないと国は富みません。
パイの奪い合い競争の中では、「誰に富が移動するか、誰が持つのか」の違いでしかありません。
もちろん、健全な競争できちんと結果を残した者が富をもらうべきです。(不正をしたり、運ばかりに頼る人は富の分配から外すべきです)
資本主義であり、経済学の中の差異を競う競争では、これは仕方ない構造の問題なのです。
僕の思考実験や理論に間違いがあるかもしれませんので、不備があったら指摘してもらえればと思います。
ちなみに、シュミレーション性のものはどちらに転がるかは不透明ですね。(若者が夢を追うのか、怠けるのかなど)
ではこの辺で。(4098文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。