どうも、武信です。(No489)
日本は財政破綻するのか?について、興味がある人向けの記事です。
「本当は世界がうらやむ最強の日本の経済」という本から、まとめます。
「本当は世界がうらやむ最強の日本経済 ― データで読む、好都合な近未来」
「本当に日本は財政破綻するのか?」その答えらしきものについて、提示したいと思います。
興味がある方は、続きをお読みください。
1 日本の借金は国内で完結している論が破綻。
「本当は世界がうらやむ最強の日本の経済」からの引用・まとめです。
2016年の日本の債務残高は、対GDP比で232.4%です。
2011年にデフォルト(債務不履行)寸前までいったギリシャでさえ、債務残高は対GDP比で111.2%でした。
しかし、日本の借金は国内で完結しているので大丈夫、という意見がよく聞かれます。
日本の政府による、借金である国債を買っているのは、日本の企業、個人がほとんどという主張が従来のものでした。
しかし、状況は変わりました。
アベノミクス以降、日銀が、国債を買う比率が高まっています。
日本の民間企業は、買わなくなっているのです。
それだけではありません。
2010年で、国債の海外投資家保有率は7.5%だったのが、2015年は11.8%まで上がりました。
この割合の分母には、日銀が保有している国債も含まれており、日銀保有の国債は流動性が低いので、日銀保有の国債を除いて計算しなおすと、海外投資家の保有率は18.2%になり、市場で流通する国債の約5~6分の1を占めています。
こうなると、日本の借金が国内で完結している論が破綻しそうです。
2 日本はそう簡単に破綻しない。
すが、魅力的な投資先がない世界が世界経済を悪くしているという説がある上に、日本の国債市場にだぶついたお金が流れ込んでいるということは、海外の投資家が「日本は大丈夫」だと思っている可能性があります。
しかし、海外への負債が増えると心配でしょうが、日本には対外純資産339兆円(2015年末)があります。
対外純資産は、海外に持つ資産から負債を差し引いた額です。
もちろん、2011年から日本は貿易赤字国になった現状はあります(2016年は黒字です)。
ストックでは、世界一の債権国でも、フローでは債務国になっていました。
そして、貿易赤字は、どうやら構造的な体質であるようです。
2015年の貿易赤字額は2兆8322億円であり、対外純資産は339兆円ですから、毎年資産を取り崩しても、100年以上かかります。
そう簡単に、崩壊しないのです。
貿易収支が赤字になっても、関係ない日本の産業構造もあります。
製造業の工場移転ブームは終わり、日本の雇用の受け皿はサービス業です。
メーカーは現地に工場を作って、儲けたお金を再投資しています。
アメリカは1960年代から貿易赤字です。(とはいえ、基軸通貨国という有利な面があります)
3 日本はフローで赤字になった
また、日本が破綻しない論の根拠として、日本の個人資産1752兆円(2016年9月)があり、政府の借金1053兆円(2016年6月)より多いので、問題ないという主張です。
先に述べたように、近年は日銀や海外投資家の国債保有率が高まっていますが、個人資産が多いので、国民が皆で支えれば何とかなるという論理があります。
しかし、2013年、家計貯蓄率がマイナス1.27%になりました。
家計貯蓄率は家計の可処分所得のうち、貯蓄に回った額の割合を指します。
この数字がマイナスになったのですから、フローで赤字になったということです。
日本の家計貯蓄率は今まで一度も、マイナスになったことがなかったのです。
しかし、家計貯蓄率がマイナスになっても、貿易赤字が対外純資産に与える影響が皆無なのと同じように、微々たる問題でしょう。
4 家計貯蓄率がマイナスになった理由。
次に、マイナスの家計貯蓄率は、金を貯め込んでいる高齢者から、現役世代へと所得移転を促します。
高齢者がお金を使うためには例えば、介護サービスや旅行などのサービスを充実させれば、現役世代の介護士や旅行業の人に金が動きます。
家計貯蓄率がマイナスになった理由は、高齢者が年金だけでは生活が苦しくなり、資産を取り崩し始めたからです。
高齢者に資産を消費してもらうのはいいのですが、「貯蓄から投資へ」を著者は批判しています。
詳しくは本書をお読みください。P114~。 以上、ここまで。
5 最後に。
この本はかなり論理立てて、データを基に書かれている上に、分かりやすいのでお勧めです。
著者は外国人ですが特に、問題はないかなと。
外国人だと、国益に反することを書くのでは?と思われがちですから。
ではこの辺で。(2258文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
「本当は世界がうらやむ最強の日本経済ーデータで読む、好都合な近未来」