初心者のための経営学の教科書「俯瞰経営学3」PART1

どうも、「ホントのメディア」~自由人のための起業・フリーランス・副業塾~運営者の武信です。(No330)

「フィクサーによる日本教育改革本」も教育の全体図・俯瞰図でしたが、経営学でも俯瞰図を作ろうという野心で作ったのが本書です。

「フィクサーによる日本の教育改革本」も教育業界に影響を与えていると思われますが、この俯瞰経営学も多少は影響を与えているかもしれません。

作り始めたのは3年くらい前ですし、まだ未完成ですが、出版社らにパクられまくり、新規性がなくなったので、無料で公開します。

「俯瞰経営学3」のPART1です。本編はここからです。

前置き編が終わって、ようやく本編に入ります。ここからが僕の経営学の俯瞰全体地図です。

1 マーケティング(RBV派とポーター派&VRIO分析&「規模の経済」「経験の経済」「範囲の経済」)

3番目は、マーケティングです。

マーケティングの話をする前に、RBV(Resource Based View リソース・ベースド・ビュー)、つまり、「経営資源(Resource)を基に、戦略を組み立てる考え方」を紹介します。

RBVでの、戦略構築の際、キーリソース(成功のカギとなる資源)を見極めます。

それは具体的には、工場や商品などの有形資産、商標権やブランドなどの無形資産、企業の体質や文化などの能力面のケイパビリティがあります。

これらの社内の経営資源を重視するRBV派に対して、外部市場における自社のポジショニングを重視するポーター派の対立論争がありました。

「どちらも重要」という結論になったようです。

そして、自社のリソースが本当に強みかどうかを「VRIO分析」によって判定できます。

1  Value (経済価値) (どれだけの価値があるのか?)
2  Rarity (希少性)  (どれだけ手に入りにくいのか?)
3  Inimitability(模倣困難性) (模倣するのにかかる費用や時間は膨大か?)
4  Organization(組織的活用) (それを活かす組織作りができているか?)

Value   Rarity  Inimitability Organization  →競争優位性のレベル。
                                
価値なし。 →                   競争劣位。
価値あり。稀少でない。→              競争均衡。
価値あり。 稀少。   模倣容易。 →       一時的競争優位。
価値あり。 稀少    模倣困難。 組織性なし。  持続的競争優位。
価値あり。 稀少。   模倣困難。 組織性あり。 永続的競争優位。

しかし、資源は強みになりますが、同時に制約にもなります。

前に述べた、証券会社ネット証券の例が当てはまります。

証券会社は、リアル店舗リアル人材が足かせになっていましたね。(昔は強みだったのに、環境激変のため、逆に弱みになったということです)

また、後で述べますが、「イノベーションのジレンマ」という現象も起きてしまいます。

強みを維持したい、維持せざるを得ないために(従来の顧客を大事にするということでもある)、新しいライバル(新しい市場を切り開く会社。新しい顧客)に座を奪われるという例です。

さて、事業は事業領域(ドメイン)を設定するのが基本です。

「何でもやる」という会社は、全てのキーリソースを所有し、全てのライバルに勝つことができる会社なら可能かもしれませんが、そんな会社は存在しません。

なので、事業ドメインを自社のキーリソースに沿って、作ることになります。

ですが、自社だけでは満たせない場合、他社と提携したり、買収したりして、リソースを広げることになります。

そこには構想があります。

アマゾンは「オンライン書店」というドメインから、「オンライン物販」になり、「生活娯楽サービス提供会社」と、さらに進化し続けています。

最近では、クラウドにも進出しており、AWS(Amazon Web Service)も始めています。

事業ドメインを拡張しています。

構想を作る際、「規模の経済」「経験の経済」「範囲の経済」などを考えることになります。

「規模の経済」は、「スケールが大きくなれば経済的になる、つまり大量に作れば安くなる」という法則です。

「経験の経済」は、「ノウハウを先行して貯めていく、つまり、同じことを繰り返せば効率が良くなる」という法則です。

「範囲の経済」は、同じ製品の生産規模の拡大は「規模の経済」と言いましたが、それに対して、異なる製品を加えていくことでも、経済効果が得られるということを意味します。

例として、M&Aの狙いに、シナジー(相乗効果)がありますが、「範囲の経済」はこれを狙っています。

しかし、「範囲の経済」が逆効果になることもあります。

同じ会社の中にいろいろな事業が混ざると、管理コストが増えたり、意思決定が不適切になったりする可能性があります。

2 マーケティング(人間起点アプローチから「開発段階」を見る&イノベーション)

マーケティングの基本は、「何を」「誰に」「どうやって売るか」です。

このうちの「何を」と「誰に」が、製品・サービスの開発段階です。

「開発段階」と呼ぶことにします。(これは僕の造語ですが、覚えてください)

「開発段階」は製品やサービスの開発のことを指しますが、それらを発想するには、以下の4つのアプローチ手法があります。

「成果を出すイノベーションパス」という本のP96から引用です。

これまでの各アプローチの一長一短をまとめると次のようになります。

技術起点アプローチ。当たれば大きいが、近年は特に打率が低くなりがち。

市場起点アプローチ。有望性は皆が納得できるものの、アイデアがあるようで実はない。

社会起点アプローチ。課題は明確だけど解き方が分からない。また、アイデアが出ても、実現するためには規制緩和などが必要になりがち。

人間起点アプローチ。アイデアは面白く感じるが、自社の強みを生かせている気がしない。また、製品の改善としては面白いが、事業としてのスケールは小さくみえる。 以上、ここまで。

この本では特に、人間起点アプローチからの視点で、「開発段階」を見ていきたいと思います。

「人間という生き物をよく知ること」でニーズを掴み、製品・サービス開発に活かそうという視点ですね。

技術や市場や社会視点も大事ですが、「人間という生き物のニーズ視点」を深堀りしていきます。

では、「開発段階」の説明をする前に、イノベーションの説明をしておきます。

イノベーションとはどういうものなのでしょうか?

以降、簡単に説明しますが、詳しくは「クリステンセン教授に学ぶ「イノベーションの授業」「日本のイノベーションのジレンマ」という本などを参考するのがいいかと思います。

イノベーションは、対象や速度、市場などによって分類されます。

<対象による分類>

「企業の提供する製品やサービスが変化するプロダクト・イノベーション」

独創的・先進的で、新しい製品・サービスを生み出すイノベーションのこと。


例。ハイブリッド・カーやスマートフォンなど。

「企業におけるやり方が変化するプロセス・イノベーション」

製造や作業のプロセスを変革して、コスト削減・品質向上させるイノベーションのこと。


例。生産機能を持ったアパレル専門店(SPA)や、立席メインのフレンチレストランなど。

「消費者の認識が変化するメンタルモデル・イノベーション」

例。広告によって、「ポカリスエットはスポーツの後に飲むと美味しい」という消費者の認識が、「ポカリスエットはスポーツ後はもちろん、二日酔いのときに飲んでも役に立つ」へと変化させたこと。

「新しい販売先の開拓であるマーケティング・イノベーション」

「新しい仕入先の獲得であるサプライチェーン・イノベーション」

「新しい組織の実現である組織のイノベーション」

「新しい体験の創造である感性のイノベーション」

例。iPadやiPhoneのように、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を追求した製品。

ここまではまめ知識として、頭に入れておくといいでしょう。

以下に述べる「市場による分類」が重要です。

<市場による分類>

持続的イノベーション(2種類あります)と、破壊的イノベーションがあります。

「既存顧客が求める、性能・機能を向上させる持続的イノベーション」

「漸進的イノベーション」と「画期的イノベーション」の2つがあります。

「少しずつ製品・サービスを変化させるイノベーションである漸進的イノベーション」

例。液晶テレビに対する4Kテレビ、自動車用ガソリンエンジンの馬力や燃費の向上、冷蔵庫やエアコンの省エネ化など。

「(急激に大きく製品・サービスを変化させる革新的(画期的)イノベーション)」

例。ブラウン管テレビに対する液晶テレビ、LED電球、音楽CDなど。

「既存顧客が求めず、性能・機能を向上させない破壊的イノベーション」

新しい市場(新市場型破壊)や、既存市場のローエンド層(ローエンド型破壊)を対象とします。

ローエンド型破壊の例として、ティファールの電気ケトルやイケアの家具やQBハウスの1000円カットがあります。

既存の顧客のニーズに応える「持続的イノベーション」は大企業が有利であり、放っておくと、どんどん技術を活かして、性能を向上させていきます。

ですが、消費者の技術や性能に対するニーズには限界点があり、「これ以上の機能はいらない」という沸点を超えてしまうほど、「持続的イノベーション」を続けてしまうのです。

そんなとき、別の市場の技術などにより、低価格を実現した製品・サービスが現れます。

最初は見向きもされませんが、徐々に性能を向上させ、ローエンド層に売れていきます。

しばらく経つと、これまでの製品・サービス(持続的イノベーション)と、新しく現れた製品・サービス(破壊的イノベーション)のどちらでも良いと、顧客は思うようになります。

そして、多くの場合、後者の方が使いやすさ・持ち運び・価格などで優れています。

そうなると、後者の「破壊的イノベーション」が打ち勝ちます。

イノベーションのやり方としては、破壊的イノベーションを狙うことです。

まずは、これまでに何も使っていない「無消費」の顧客を相手とする「新市場型破壊」です。

無消費者は、欲求不満を感じています。

何らかの制約によって、既存の製品やサービスを使えない状況にあります。

そういう層に、新しい製品やサービスを提供するのが「新市場型破壊」です。

制約は「スキル・資力・アクセス・時間」の4つがあります。

新市場型破壊がダメな場合は、「ローエンド型破壊」を狙います。

消費者にとって「過剰満足」の状況があるなら、狙い目です。

「過剰満足」を排して、シンプルで低価格で、必要十分な解決策を提示すればいいわけです。

どちらもダメだった場合、ハイエンドを目指す「持続的イノベーション」です。

ですが、顧客の満足する機能には上限がありますから、単なる性能の向上や、機能の増加は良くないです。

ここでやるべきことは、消費者の認識を変化させる「メンタルモデル・イノベーション」です。

顧客の「主観的価値」を向上させるのです。

詳しくは「日本のイノベーションのジレンマ」を読んでもらいたいです。

以上は僕の自著「フィクサーによる日本の教育改革本」からの一部、抜粋です。

この持続的イノベーションと破壊的イノベーションでは、「開発段階」の発想法が異なります

破壊的イノベーションは、無消費者(消費者がまだ存在していない)を狙った製品・サービス開発ですので、市場規模も期待売上げも測りにくく、見通しが不透明な不確実性があります。

対して、持続的イノベーションは、既存の市場の製品・サービスのバージョンアップ・改善ですから、発想法が異なります。

また、持続的イノベーションは大企業同士の争いであり、ローエンド型破壊は大企業とベンチャー企業の争いとなります。

新市場型破壊は主体は多様ですが、無消費者や無消費の機会に挑戦することになります。

僕の提唱する「開発段階」では主に、破壊的イノベーションのために新製品・サービス開発の発想法を、基本的に紹介したいと思います。

人間起点アプローチ中心なのは、前に述べた通りです。

破壊的イノベーションでの注意点を述べます。

それは破壊的イノベーションはその名の通り、破壊的なので、浸透させるにはかなりの労力と時間がかかるという点があります。

例として、自動車を出します。

馬車の時代に自動車は脅威というか、奇異なモノとして見られていました。

前に馬がいない自動車が走っている姿は人々にとっては、ショックだったようです。

悪魔の乗り物とさえ、アメリカの人々には思われて、実際に制限をかけた法律まで作られたのです。

しかし、この自動車を普及させる名案を思い付いた人がいて、その案とは「客車の前に頭部を含む馬の肩から、前の等身大の模型を客車の前につけるもの」でした。

これで、自動車は馬車に似ることとなりました。

この馬車に似た自動車によって、すれ違った人々に奇異にみられることが減りました。(前に取り付けた馬の頭の模型は、ガソリンタンクとしても使用可能)

これほどの細心の注意を払わなければ、破壊的イノベーションの普及はなかなか難しいという話の喩として、紹介しました。

ではこの辺で。(6765文字)

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・Youtube動画などを基にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

参考・引用文献。

「成果を出すイノベーションパス」

「クリステンセン教授に学ぶ「イノベーションの授業」

「日本のイノベーションのジレンマ」

参考引用文献がわからなくなったので、僕の「俯瞰経営学」で参考にした本は全冊載せておきます。

参考・引用文献。


「27歳からのMBA グロービス流リーダー基礎力10」

「正解が見えない課題を圧倒的に解決する超仮説思考」

「超・検証力 その仮説は本当に成果を出せるのか?」

「世界市場で勝つルールメイキング戦略」

「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」

「ビジネスモデルナビゲーター」

「リクルートのすごい構創力」

「0to100会社を育てる戦略地図」

「世界最高峰の頭脳集団NASAに学ぶ決断技法」

「数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方」

「文系が20年後も生き残るためにいますべきこと」

「マッキンゼーが予測する未来」

「RPA革命の衝撃」

「日本流イノベーション」

「統計学が最強の学問である ビジネス編」

「入社10年分の思考スキルが3時間で学べる」

「大前研一IoT革命」

「新富裕層の研究」

「ビジネスで使える経済予測入門」

「定量分析の教科書」

「稼ぐ人財のつくり方」

「社員20人なのに新卒採用に1万人が殺到。日本一学生が集まる中小企業の秘密」


「リーダーの基準」

「INNOVATION PATH イノベーションパス」

「イノベーションの壁」

「確率思考の戦略論」

「未来を味方にする技術」

「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」

「あなたの会社が最速で変わる7つの戦略」

「ビジネスモデル思考 既存ビジネスから「イノベーション」を生む7つの視点」

「賢い企業は拡大主義より永続主義」

「なぜデータ主義は失敗するのか?」

「戦略にこそ「戦略」が必要だ」

「手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略」

「カスタマーセントリック思考」

「日本企業で本当に役立つマーケティング7つの原則」

「機会発見」

「パラノイアだけが生き残る」

「超一流のアイデア力」

「経営とデザインの幸せな関係」

「降りてくる思考法」

「マーケティング零」

「ダークサイドスキル」

「なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか」

「図解&事例で学ぶWebマーケティングの教科書」

「なぜか売れるの公式」

「物語戦略」

「デジタル・トランスフォーメーション」

「ビジネス・リノベーションの教科書」

「シリコンバレー発アルゴリズム革命の衝撃」

「役員になれる人の「数字力」使い方の流儀」

「「経営の定石」の失敗学」

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