中国は信用できる?「中国ではスカウター社会がやってくる」

どうも、武信です。(No195) 

 

スカウターとは、ドラゴンボールというマンガでの「相手の戦闘力を数値で測る機器」のことを言うのですが、そういう機器を皆がつける社会がやってくるのでは?という内容の記事です。

 

相手の戦闘力というのは比喩でして、実際に何を測るか?は記事の続きを読んでもらえたらなと思います。

 

ともかく数値化して測る機器が普及する未来が訪れるかもしれないという予測です。

 

気になる方は続きをどうぞ。

 

 

1 前置き。

 

突然ですが、スカウターとはドラゴンボールというマンガでの「相手の戦闘力を数値で測る機器」のことです。

 

戦闘値が高いと当然、強い相手ということになります。

 

以下の僕のブログ記事(AI面接採用PART2)から引用しますね。

AI採用面接PART2 

 

3 中国で数学破壊兵器が蔓延。

 


以下の記事を貼ります。「中国政府、外交に人工知能やビッグデータ導入で競争力向上へ」というタイトルです。(消されたようです) 

 

一部、引用します。

 

中国は既にそのほかのセクターでAIを導入しており、2020年までに全国民に適用されることになっている「社会信用システム」は大きなニュースになった。

 

同システムは監視ツールや機械学習ツールを活用して国民を監視・スコア化し、スコアが高い者に恩恵を、低い者に罰を与えることで社会の管理を目指すもの。

 

このシステムの下、政府に批判的な人々が航空便の利用や土地の購入を禁止されたり、子どもをいい学校に通わせることができなかったりするという事態が起こっている。以上、ここまで。

 

この記事から、さらに「TRUST 世界最先端の企業はいかに<信頼>を攻略したか」という本を参考にしてまとめます。

 

スコア化とは格付けのことでもあり、格付けの低い人達はインターネット接続が遅くなったり、行きたいレストランやクラブやゴルフコースに入れない、さらには海外旅行にも自由に行けなくなる、つまり「休暇や出張が制限される」そうです。

 

さらに、信用スコアは部屋探しや、保険への加入やローンの資格や、社会保障手当にも影響します。

 

スコアの低い人の採用を避ける会社が出てきたり、役所、報道、法律関係など信頼が必要とされる特定の仕事から排除されます。

 

またスコアの高くない人たちは、自分や自分の子供を学費の高い私立学校に入れにくくなります。

 

3 中国が社会信用システムを推進する理由。

 

では、中国で社会信用システムを推進している理由は何があるのでしょうか?

 

それは、今までの中国社会は信用で成り立っていない背景がありました。

 

中国では、家や車やクレジットカードを所有している人が多くないので、計測できる信用情報がなかったのです。

 

中央銀行は、8億人の財務情報を持っていますが、伝統的な信用履歴を持つ人は3億2000万人しないのです。

 

中国商務部によると、信用情報がないことの経済損失は年間6000億元、つまり970億ドルを上回ります。

 

このように、中国では全国的に信用制度が発達していなかったので、社会信用システムを推進しており、国民格付けが必須だといいます。

 

中国は規制が整備されていない市場なので、模造品や劣悪な商品が大きな問題になっています。(OECDによると、時計からハンドバッグ、ベビーフードまであらゆる模造品の63%が中国で作られているそうです)

 

2008年にはメラミン(プラスチックや農薬に使われる有毒物質)が混入された粉ミルクで6人の赤ちゃんが死に、30万人以上が具合が悪くなる事件が起きています。

 

この事件以降、粉ミルクを海外から中国人は買うようになり、イギリスの大手小売店は1人2缶までと制限を設けたほど、中国人の購入が殺到したほどでした。

 

中国の社会信用システムの狙いは、「社会全体の正直さと信用の水準を上げ、国家の競争力を全体的に底上げすること」だと言われています。

 

国民格付けにより(公平な評価ツールという謳い文句)、経済の活力を上げようとしているのです。

 

これまで中国政府が行ってきた市民への監視に比べたら、今回の社会信用システムは透明性が高く、マシかもしれません。

 

中国人は、「オンラインでの自分の行動が全て記録され、何を監視されているかも自覚して、その情報を自分で使って政府のルールに従う方が従来よりマシになる」と言う人もいます。

 

「何も知らずにプライバシーが存在すると考え、体制は市民を尊重し搾取しないはずだと夢見るべきなのか?」と問う人もいます。

 

この中国の社会信用システムがより正直な行動を促し、人々を規則に従わせることは間違いないです。

 

ですが一方で、政府が良い行動と悪い行動を決める力を、これまでにないほど持つとも言えます。評価経済の悪い形です。

 

4 ピープルというアプリ。

 

ピープルというアプリが、2016年2月に公開されました。

 

「知り合い全員の格付けと評価ができるアプリ」です。

 

隣人や上司や教師や配偶者や元カレや元カノさえも、格付けできます。

 

ピープルナンバーという数字が、格付け数字です。

 

誰かがあなたの名前をピーブルのシステムに載せると、その名前がシステムに登録され、あなたはそれをどうすることもできない(消すこともできない)のです。

 

レビューを残すには本名を使わなければならず、21歳以上で、フェイスブックのアカウントが必要となります。

 

それから、レーティングをつける相手を実際に知っていることを証明し、仕事、私生活、恋愛の3つのカテゴリに分類します。

 

知人を評価し、相手の同意なく勝手にレーティングをつけられるのが、このアプリの特徴です。

 

ピープルでは「特定の行為(個人の健康状態に触れること」、「汚い言葉を使うこと」、「性差別をすること(客観的に見て)など)」を禁止しています。

 

ですが、レーティングの判断や透明性の基準に関しては、ほとんどルールがありません。

 

このアプリには「真実認証」という機能があり、それは「真実認証は本人のプロフィールで公表されていることもそうでないことも、その人について書かれたことをすべて公開する機能です。これによって周囲の人についてより良い判断が下せるようになるでしょう」とピープル社は言っています。

 

ピーブルの創業者がこのアプリを開発した理由の一つとして、「隣人のことさえ知らない今の世の中で子供を誰に任せたらいいのかを決める助けにしたかった」と述べています。

 

この信用スコアが下がると、フライトに乗せてもらえなくなるなどの弊害が出るかもしれないといいます。

 

がんの治療でも、スコアの高い人が優遇されます。

 

このように、信用スコアにかなり振り回されるようになり、異常にスコア(他人の評価)を気にするようになるのが見える世界観です。

 

「偽レビューを見つけて排除するための機械学習システム」がすでに開発されつつあるそうです。

 

コーネル大学の研究者チームは、偽レビューを探知するソフトウェアを開発しました。

 

トリップアドバイザーに書き込まれたシカゴのホテルへの800件のレビューをこのソフトウェアで検査したところ、ほぼ9割の確率で偽のレビューを検知できました。

 

一方、人間が検知できたのは5割ほどでした。P212。

 

偽レビュー検知技術は、ピープルアプリの信憑性調査には役立ちそうもないですが、Amazonレビューなど他社では使えそうですね。

 

5 中国ではスカウター社会がやってくる。

 

アメリカでもピープルというアプリがあったり、他の格付けに近いモノは存在します。

 

そして、その懸念点もかなり語られています。

 

しかし、中国では経済力底上げのために社会信用システムを本当に強引に推し進めようとしています。

 

そこから僕が推測する世界観として、「ドラゴンボールのスカウターのような機器が発売されて、皆がそれを見るようになるのではないか?」というものがあります。

 

スカウターみたいなものを装着して、歩いている人の戦闘値(信用スコア)をはじき出し、調べるのです。

 

ここまで到達したらヤバイ奴は避けられますし、良さそうな人には良い対応をするかもしれません。

 

一般人にまでスカウターが配布されるかは不明ですが、店員や何らかの政府職員などはスカウターが配布され、調べるようになるのではないでしょうか?

 

「ピピッ」と測って、「信用スコアいくつ」と弾き出せます。

 

スカウター社会の到来です。

 

ところで、2010年に出版されたベストセラーの、「スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー」では近未来のディストピア的なニューヨークが舞台となっています。

 

この世界では、その人の信用格付けが皆に聞こえるように大声で発表されます。

 

この作品に登場するガジェットでは、首からぶら下げるアパラットというペンダントがあり、「格付けプラス」という機能がついています。

 

このペンダントは、持ち主の寿命やコレステロール値やこれまでの恋愛遍歴といった個人情報を大声で教えてくれます。

 

アパラットをつけていれば、周囲の人の格付けがリアルタイムでわかるので、嘘つきがすぐにわかり、引っかからなくなります。

 

この話は、見知らぬ人に情報を明かしすぎる危険と、信用スコアから医療記録まですべてが自分の格付けとして公にされる社会の悲惨な結末を描いており、しかもそうしたことが楽しいゲームのように売り込まれている世界観なのです。

 

僕の描いたスカウターに似ているといえます。ドラゴンボールの作者は預言者ですね。

 

ではこの辺で。(4210文字)

 

このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。

あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。

 

参考・引用文献。

「TRUST 世界最先端の企業はいかに<信頼>を攻略したか」。

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